中部地域で活躍されている河合楽器製作所コンサートチューナーの宮平憲治氏を講師にお迎えし、現場で行う整音作業について、実技を交えた講習を行っていただきました。
整音に繋がる音作り(ユニゾン合わせ)、ガタやスティックが無くスムーズに動くアクションや鍵盤に整えた上で、響きのあるピアノにするために行うのが整音作業だと教えてくれました。
弦合わせ、ハンマーの形状、打弦時の雑音、摩擦による違和感を整える大切さを改めて感じました。
実践では6班に分かれ、一本のハンマーをシューシャインで削る方法から、針入れの位置、針刺しの深さ、確認時の打鍵の音量や速さを学びました。
音の輪郭、音の芯、全体の響き、和音で弾いた時の立ち上がり、響きが広がるかを確認しながら最終的に行うのが整音作業だとおっしゃいました。
印象的だったのは、響きを重視したユニゾン合わせでした。響きのいい所を選ぶと響きが広がっていく、というイメージが何となく掴めました。
日頃から良い音を聞き、自分の中での良い音のイメージを持つことは大切とのこと。音源を聴くだけでなく、コンサートホールでの音の印象を音像として捉えることも大切なんですね。
今回の研修では、いろいろな方の作業や道具を見たり、情報交換もでき、とても有意義な時間を送れました。
参加者の経験値は様々ながらも、個人的には、日頃の疑問が解消されたこと、整音作業に前向きになれたことが収穫でした。
研修会で自分の技術の軌道修正ができることは本当にありがたく思います。
静岡支部広報担当 石田智子