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中国支部 技術実習会 第1回   2014年10月13日(月)18時43分

平成26年度 第1回技術実習会

日時 : 平成26年8月17日(日) 13:00~17:00

議題 : 張弦を中心とした実習

会場 : ワタナベミュージックラボなかやま楽器ピアノ工房(広島県呉市)

講師 : 米田 一郎氏 (中国支部研修委員)

参加者 : 会員16名 スタッフ3名

これまで定期的に開催している技術研修会に加え、少人数を対象とする「参加型」の実習会を行いました。
今回は米田氏の勤務先である工房をお借りし、GP・UP各1台を準備して頂き、各自がMY工具を持参し「張弦」を中心に開催しました。一人がGP・UPそれぞれ1回ずつ張弦を行います。
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⑴弦の巻き癖に影響されない巻き方(一本唸りがない)
⑵ピアノへのダメージが少ない巻き方(ピンブロックが上がって来ない)
⑶巻口がきれいに揃う巻き方
⑷玉作り
⑸巻線断線時の継ぎ方
⑹ピンブロックの穴開け(おまけ)
アップロードファイル 47-2.jpg
張弦は通常3周程度チューニングピンを戻しますが、今回は1周だけ戻し、あらかじめ巻き癖を取った状態の弦を、お手製のスケールを使って切った弦を別のチューニングピンに2周半巻いておき元に戻す方法で行いました。
こうする事で一本唸りがなく、ピンブロックが上がって来ない、巻口がきれいに揃う、など見た目美しく仕上がります。
まず、今回のポイントの一つである弦の巻き癖を取る方法でみなさん苦戦されていました。
丁寧な説明と指導により何回も練習するうちコツを掴み上手に出来るようになりました。
弦を巻いたり張ったりの作業は、適切な工具を正しく使う事で随分とスムーズに且つ美しく仕上がります。
米田氏には、身近にある普段使う工具を工夫して使うことや工具の選び方、扱い方等教えて頂き改めて工具の重要性を感じました。
今まで習って来たやり方と違い多くの方に戸惑いがありましたが、仕上がりが美しく唸りのない張弦が出来る事はこれからの業務の中で必ず役に立つと思います。
玉作りは自作の工具を持ち寄る方もいらっしゃり、張弦に対する関心の高さがうかがえました。
巻線の継ぎ方はあまり頻繁に起こる事ではないので、何となくわかっている感じでしたが今回の実習で謎が解けた方も多かったのではないでしょうか。
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今回実習に使ったGPはオーバーホール中という事で予定になかったピンブロックの打ち込み、穴開け(角度の付け方)の実演も出来ました。
なかやま楽器の皆様、大切な作業中にも関わらず快く実習に使わせて頂きました事、感謝申し上げます。
大変ありがとうございました。

              (広報委員 小林豊明)

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中国支部技術研修会第1回、第2回   2014年10月13日(月)18時18分

平成26年度 中国支部第1回技術研修会

テーマ  「大切なのはホント仲間達」
講師   名取 孝浩氏 (関東支部)
日時   平成26年6月1日(日)12:00~17:30
会場   上野学園ホール 406スタジオ (広島市中区白島)
参加者  35名 (他支部4名 未入会員2名含む)

この度は、関東支部より名取講師をお招きして、さまざまな技術、工具、その他いろいろなエピソードを交えた楽しい研修になりました。
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まず参加者の顔ぶれを見渡されて、今回はベテランの方々が多いので内容を少し変えます…と、予定よりレベルを上げた研修をされました。スタジオにはスタインウェイD型が置いてあり、まずは基本メンテナンスから鍵盤のバランスウエイトとフリクションの計算、調律打鍵時の音圧測定を集音マイクでの数値を見る、各アクションの部品磨きやスプリング掃除、フレーム内装の掃除道具…所々でコンサート時の裏話や裏技エピソードを聞かせていただいたり、作業が進むたびに新たな工具や材料がそこここから出てきて、どれもすぐに役に立つ技術を勉強させて頂きました。
まだまだお聞きしたいことは沢山あったのですが、今回お時間が足りなかったのくらい充実した研修会になったと思います。
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              広報委員/加藤正巳


平成26年度 中国支部第2回技術研修会

テーマ  「整調と音の関係&整音について」
講師   栗栖 真治氏 (静岡支部 (株)河合楽器製作所ピアノ事業部)
日時   平成26年9月14日(日)13:00~17:30
会場   スターピア くだまつリハーサル室 (山口県下松市)
参加者  34名 (未入会員1名含む)

 前回ここの場所をご利用させていただき、カワイのKG-3Nを使い鈴木均講師にカワイの研修をしていただきました。今回も同じ場所でカワイよりヨーロッパ駐在の経験もある栗栖講師にお越し頂きました。最初はお持ちいただいたパソコンのパワーポイントからカワイピアノの特徴などを説明していただき、整調手順の始めフレームのボルト締めから順番に整調の内容を一つ一つ作業していただきました。メーカーにより整調手順や寸法を計る箇所が違っていて、メーカーの基準寸法を知っていたとしても計る位置や場所が違うと1mm~2mm大きく変わってしまいメーカーの希望とするタッチにアクションが働かなくなる可能性もあります。栗栖講師は今回カワイの最新のシャンク付きのハンマーを持って来て頂き音作りの図解などを示して、整音の針刺し、ファイリング、音の変化を体感しました。
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                                 広報委員/加藤正巳

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