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地区合同研修会のご報告   2012年03月25日(日)19時12分

少しずつ、春の足音が聞こえてまいりました。
桜の開花は例年より遅い感じでしょうか…?
今年はきれいな桜を背景に、入学式の写真が撮れそうですね!

新生活の始まりと共に、習い事を始められる子供さんも多いでしょう。
あるテレビ番組で脳科学者さんが、『習い事にはピアノが良い!!』とおっしゃってましたが、左右の指がそれぞれ違う動きをし、リズムに乗りつつ強弱をつけ、様々な弾き方で表現を加える…確かにピアノって、脳、活性化しそうですよね!

前置きが長くなってしまいましたが…去る2/26(日)、サガン鳥栖J1昇格で盛り上がる佐賀県鳥栖市、サンメッセ鳥栖にて、地区合同研修会が行われました。
研修会といっても今回は技術についてではなく、現在のピアノ市場について。
パネリストに、呉 英洙さん(アサヒピアノ社長)、田中賢明さん(元ヤマハ営業)、江頭利幸さん(カワイ営業、残念ながら体調不良により欠席)をお呼びしての、今までに無い、勉強会です。

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住宅事情等もあり、アコースティックピアノよりも電子ピアノがよく売れているという昨今。
だけど、ピアノの発表会、クラシックのコンサート、ジャズのライブ…アコースティックピアノが使われるのは何故でしょうか?
電子ピアノの方が調律がいらないので、作業の終了を待つこと無くいつでもリハーサルに臨めるし、音が狂わないので修正もいらない、ピッチコントロールがすぐにできるので他の楽器とも合わせやすい、何よりコストが安い…のに、弦を張って不安定なアコースティックピアノが使われる。
そこにはやはり、電子ピアノの利点以上の魅力がなければ、使わないでしょう。

アコースティックピアノの魅力。それはピアノを楽しまれる方なら、言うまでもないかもしれません。
鍵盤を押さえる強さの段階に応じて出る音が決まっている電子ピアノに対し、アコースティックピアノの出せる音は実に多種多様。
鍵盤を押さえる強さに加え、位置や角度、その時の感情等によって、同じ人が同じ曲を弾くにしても、ガラリと音が変わるのです。
『その演奏はその時にしか聴けない。』
そういうことなのです。

鍵盤を押さえる力と出る音の関係を文字に表すなら、電子ピアノはマジックやペンで書いた様な文字。対してアコースティックピアノは、言うなれば毛筆。細い線太い線、文字の形も様々。しかも、描く色も黒だけではなく、色々な色で描くことができるのです。

これにより、弾く子供さんはもちろん、それを聴いておられるご家族の方々も、徐々に『違い』のわかる感性が磨かれてくるという訳です。

さて、この研修会、こういったお話の他にも、現在の中国のピアノ事情や、圧倒的に女性が多いピアノの先生方に対する、男性の割合が高い調律師の気配りの仕方等々、毎日の仕事へのヒント盛り沢山!!

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終了後のお茶会でも『大変良い研修会だった』とのお声多数で、本当に収穫の多い研修会だったと思います。

企画、進行して下さった熊本地区の松川さん(ピアノハープ社会長)、そしてピアノハープ社社員の皆様、大変お疲れ様でした!
また色んな研修会を企画して頂ける事を楽しみにしています♪♪


九州支部HPプロジェクト担当
岸川久美子

日本ピアノ調律師協会