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平成30年度秋季研修会報告   2018年09月18日(火)17時18分

平成30年度秋季研修会報告

日時:平成30年9月16日(日)午前10時~午後4時
場所:サクラート多度津(多度津町民会館)
内容:午前の部・「カワイの今(Now)」と題してカワイ ピアノについての講座
  :午後の部・実機(ヤマハC3)を使用したハンマー交換
講師:鈴木 均氏(副会長・本部研修局長)
参加者:四国支部26名 他支部1名 非会員2名

長年㈱河合楽器製作所の技術・後進指導に携わってきた鈴木均氏をお招きして、午前中はカワイの歴史・カワイピアノについてのお話をしていただき、午後は実機(ヤマハC3)を使用してハンマー交換を想定した修理を行いました。

◆午前の部
河合小市から現代のKAWAIへ、カワイピアノの進化とともにお話をしていただきました。小市モデルから新しいKAWAIへの転換期は1970年のKGシリーズから。
1980年竜洋工場完成とともにピアノ研究所(原器工程)設置。
カワイピアノにとってアクションの素材はとっても重要で、木材の欠点解消のため1973年からアクション部品の樹脂化を開始。現在は木材を超えた性能を追求したウルトラレスポンシブアクションⅡを採用している。
 1999年Shigeru Kawai シリーズ誕生。
Shigeru Kawaiシリーズの特徴(レギュラーモデルとの違い)は1.主要木工部品のシーズニング、2.ダンパー機構、3.支柱・響板・巻線・ハンマー、4.MPAによる最終調整、5.アフターフォローはMPA・MPS資格者がおこなう。
 カワイピアノ整調のポイントについてもお話をいただきました。他のメーカーにも通ずるところがありますが、メーカーが指定する基準寸法にしたがい、忠実に調整をすること。特に重要なことは適切なアフタータッチを作り、これを全鍵、そろえることである。

◆午後の部
ピアノ(伊藤晃彦支部長所有C3)を持ち込み、そのピアノを使用し10個所程作業を行いました。作業内容は、古いハンマーを外し、新しいフレンジ付きハンマーシャンクに、外した古いハンマーを再度取り付ける作業を行いました。古いハンマーを外す際は専用工具で外す。取り付ける際も左右に合わせて取り付ける。ウッドからはみ出したシャンクを切る際はセンターピン部を傷めないように切る。走り・捻じれを確認後、打弦点・弦当たりを確認する。ハンマー交換は注意事項、確認事項、専用工具が大変多く失敗をしてもいいのでとにかく経験をしてみる!ということで作業をしてもらいました。
今年4月に初めて支部研修担当になってから初めての支部全体の研修会でした。前任部長さんから引き継いだ内容でしたが研修会まで沢山準備と確認することがあり、部長さんたちは今までこんな大変なことをやって来たのか!と頭が下がる思いです。今回至らない点が多々ありましたが、講師の鈴木均様をはじめ参加者の皆様スタッフの方々のおかげで、初めての支部全体の研修会を無事に終えることが出来ました。
ありがとうございました。
(研修委員 伊藤雅俊)

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