10月になり、北のほうから紅葉の便りの聞かれるころになりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、本日10月4日(日曜日)
静岡支部主催の、技術研修会がありました。
栃木県真岡市より、関東支部会員であり
「小野ピアノ工房調律センター」
の代表でもある、
「小野 哲(おの さとし)様」
に、画像とお話による
「チッカーリング・スクエアピアノの復元作業」
について講話いただきました。
東京藝術大学の片隅に置かれていた、このピアノが
小野さんの元へきたのは、2002年のこと。
かなり損壊のひどい状態から、資料や資材をあつめ
復元に着手するまでにも三年近くを費やしたという
たいへん複雑困難なお仕事振りをうかがいました。
モデルとなるものの無いなかで試行錯誤をかさね
5年の月日を費やして、
再び当時の音色を発する事となるわけですが、
その努力にはただただ脱帽するばかりです。
小野さんは
「古いピアノを知り、修復していくのは、現代のピアノを
よりよいものにするための仕事にも繋がる
そして何よりもピアノという楽器の本質を追求する
という作業にもなると信じている
また、若い人たちにこうした貴重な作業を経験させて、後進の育成にも力を注いで行きたい」
と仰いました。
講師の小野 哲氏を囲んで
左より「大嶽研修委員・小野 哲講師・朝比奈研修委員・筆者」
人類の長い長い歴史のながれのなかにある
音楽という芸術文化の一端を担う私たちにとって
じつにこの言葉は重みのあるものだと感動しました。
「小野 哲 講師」、本日は遠方よりお越し頂き
貴重な資料と、お話をありがとうございました。
静岡支部 ホームページプロジェクト担当 安藤 真知子