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研修会報告   2009年10月04日(日)18時45分

10月になり、北のほうから紅葉の便りの聞かれるころになりました。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

さて、本日10月4日(日曜日)
静岡支部主催の、技術研修会がありました。

栃木県真岡市より、関東支部会員であり
「小野ピアノ工房調律センター」
の代表でもある、
「小野 哲(おの さとし)様」
に、画像とお話による
「チッカーリング・スクエアピアノの復元作業」
について講話いただきました。

アップロードファイル 15-1.jpg


東京藝術大学の片隅に置かれていた、このピアノが
小野さんの元へきたのは、2002年のこと。
かなり損壊のひどい状態から、資料や資材をあつめ
復元に着手するまでにも三年近くを費やしたという
たいへん複雑困難なお仕事振りをうかがいました。
モデルとなるものの無いなかで試行錯誤をかさね
5年の月日を費やして、
再び当時の音色を発する事となるわけですが、
その努力にはただただ脱帽するばかりです。

小野さんは
「古いピアノを知り、修復していくのは、現代のピアノを
よりよいものにするための仕事にも繋がる
そして何よりもピアノという楽器の本質を追求する
という作業にもなると信じている
また、若い人たちにこうした貴重な作業を経験させて、後進の育成にも力を注いで行きたい」
と仰いました。

アップロードファイル 15-2.jpg

講師の小野 哲氏を囲んで
左より「大嶽研修委員・小野 哲講師・朝比奈研修委員・筆者」

人類の長い長い歴史のながれのなかにある
音楽という芸術文化の一端を担う私たちにとって
じつにこの言葉は重みのあるものだと感動しました。

「小野 哲 講師」、本日は遠方よりお越し頂き
貴重な資料と、お話をありがとうございました。

                  静岡支部 ホームページプロジェクト担当 安藤 真知子

日本ピアノ調律師協会